銀歯を白くしたい!保険適用はできる?注意点も併せて解説
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こんにちは。長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」です。
むし歯の治療で使用する銀色の詰め物や被せものは、会話中や笑った時に目立ちます。審美性が気になり、白い歯に変えたいと思っている方も増加傾向にあります。
その一方「銀歯を白くするメリットとデメリットを知りたい」「費用はどのくらいかかるの?」などの疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は、銀歯を白くする方法や銀歯を白くするメリット・デメリットについて詳しく解説します。お口の中の銀歯が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
銀歯を白くする方法
銀歯を白くする治療は、保険治療と自費治療に分けられます。下記では、具体的に銀歯を白くする治療方法についてまとめました。
銀歯を白くする保険治療
保険適用内で銀歯を白くするために使用できる素材は、プラスチック素材のコンポジットレジンとCAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)です。2024年現在は、保険治療内でほとんどの歯を白くできます。
虫歯治療用の白い詰め物としてよく使用される素材が、コンポジットレジンです。整形しやすく元の歯を削る量を抑えられる上、金属アレルギーの方にも使用できるなどのメリットがあります。
食べ物を噛む面だけの小さな銀歯の詰め物であれば、すべての歯を保険適用内でレジンに詰め替えることが可能です。
ハイブリッドセラミックは、陶器の粉末と合成樹脂を混ぜ合わせた素材のことです。正確にはセラミックとは別物でオールセラミックと比較すると審美性などが劣りますが、レジンよりも強度や耐久性、審美性に優れています。
条件付きではあるものの、CAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)も保険適用内で使用可能です。
銀歯を白くする自費治療
自費治療で銀歯を白くするために使用される主な素材はセラミックです。セラミックは、硬く透明感のある白さを持つ体にやさしい歯科用材料で、年数が経過しても変色することはほとんどありません。
歯科治療で使用されることが多いセラミックは、以下のとおりです。
- ジルコニア
- オールセラミック
- メタルボンド
- e‐max
ジルコニアは非常に硬く、人工ダイヤモンドとも呼ばれる素材です。自然な見た目に仕上がりますが、硬すぎるため噛み合う天然歯を傷つけるリスクがあることがデメリットでしょう。
オールセラミックは全てがセラミックでできた素材で、非常に審美性が高いことが特徴です。ジルコニアより硬度が低いので使用する歯は慎重に検討しなければなりませんが、天然歯とよく馴染むので仕上がりが自然です。
メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物です。耐久性と審美性を両立した素材ですが、内側が金属なので注意しなければなりません。歯茎が黒ずむメタルタトゥーや、金属アレルギーのリスクがあります。
e‐maxは、ガラスセラミックを強化した素材です。透明度が高いことが特徴で、天然歯よりも美しく仕上がるとも言われています。硬さが天然歯と同程度なので、噛み合う歯を傷つけるリスクも少ないでしょう。
銀歯を保険適用で白くする方法と素材・費用
銀歯を保険適用で白くする方法や素材の種類、費用について詳しく解説します。
コンポジットレジン
セラミック粒子と合成樹脂を混ぜ合わせた白いプラスチック素材のことです。ペースト状の白い樹脂を歯に詰めた後、特殊な光を照射して固めます。
多種多様な歯の形状に合わせて修復できる上、色調も天然歯に近く自然な仕上がりになります。歯に直接つけてそのまま固めるため型取りの必要がなく、元の歯を削る量も最小限に抑えられます。
保険の適用範囲に制限がないのも、コンポジットレジン(CR)の特徴です。
ただし、プラスチック素材であまり強度が高くありません。強い力が加わると、欠けたり割れたりすることがあります。
費用は、3割負担の場合で1,000円〜2,000円程度です。
硬質レジン前装冠
金属のフレームにレジンを貼り付けた素材です。上下の前歯6本のみ、保険が適用されます。奥歯の場合は保険が適用されません。自然な見た目な上、中身が金属なので強度が高いです。
表面の白い部分はプラスチック素材のため汚れが付着しやすく、年月が経つと変色することがあるので注意しましょう。
費用は、3割負担の方の場合8,000円程度です。
CAD/CAM冠・CAD/CAMインレー
CAD/CAMは、患者様の歯型をスキャンして得たデータをコンピュータに入力して、ハイブリッドセラミックブロックを歯の形に削りだして作る歯科技工物のことです。すべてコンピュータが自動で作成するため、治療にかかる費用と期間を抑えられます。
2014年に小臼歯に対してのみ保険適用が認められ、それ以降は診療報酬改定で保険適用の範囲が拡大されています。2020年9月の改定では、条件付きではあるもののほぼすべての歯に保険適用で使用できるようになりました。
2022年4月からは被せ物だけでなく、詰め物の保険適用が認められています。
具体的には、CAD/CAM冠は5番目までの歯には保険が適用されます。6番目の歯は、7番目の上下左右4本が残っていれば保険適用で使用できます。金属アレルギーの方の場合はすべての歯に保険が適用されますが、6・7番の場合は医師の診断書が必要なので注意しましょう。
詰め物の場合、4・5番目までの歯は保険適用で、6番目の歯は7番目の歯が上下左右4本残っていれば保険が適用されます。金属アレルギーの場合は、4〜7番目の歯が保険適用ですが、6・7番の歯は、医師の診断書が必要です。
費用は、3割負担の方で被せ物は6,000円、詰め物は4,000円程度です。
銀歯を白くするメリット
銀歯を白くするメリットは、以下の通りです。
審美性が改善される
笑った時や会話中に見える銀歯がコンプレックスになっていた人にとっては、大きなメリットといえます。白い歯にすることで、清潔感や健康的な印象を手に入れられるため、コミュニケーションにもプラスの影響を与えるでしょう。
金属アレルギーの心配がない
銀歯の素材である金属は、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。時間の経過とともに金属が溶け出し、金属イオンとして体内に影響を及ぼすのです。
溶け出した金属イオンが影響して、歯茎が黒く変色することもあるでしょう。
白い歯の素材の多くは金属を使用していないため、金属アレルギーや歯茎が変色する心配がありません。銀歯を白くすると、金属アレルギーや歯茎の変色を防げるのです。
ただし、メタルボンドは金属アレルギーや歯茎が変色するリスクがあるので注意しましょう。
歯茎の黒ずみを予防できる
銀歯から溶け出した金属イオンが歯茎に吸収されることで、歯茎が黒ずんでしまうことがあります。金属を使用しない素材に変更すれば、歯茎の黒ずみを予防できます。
銀歯を白くするデメリット
耐久性が低くなる
銀歯は金属なので、耐久性が高いです。特に、セラミックは強い衝撃を受けると割れたり欠けたりするリスクがあるでしょう。銀歯であれば耐えられる咬合力でも、プラスチックやセラミックでは破損につながることがあるのです。
ただし、白い歯の中にも耐久性に優れた素材はあります。強度や耐久性を重視する場合は、担当の歯科医師と相談しましょう。
歯を削る必要がある
銀歯を取り除き、新たに白い歯を装着する過程で歯を削る必要があります。金属製の銀歯は耐久性に優れていることから薄く作ることも可能です。
しかし、白い歯の素材となるセラミックやプラスチックの場合、強度を保つために被せ物や詰め物に厚く作らなければなりません。そのため、より多くの歯を削る必要があるのです。
自費治療の場合は費用が高額になる
自費治療の場合は費用が高くなります。たとえば、レジンよりも高い強度と審美性・耐久性を持つセラミック治療には保険が適用されません。
自費診療の費用は歯科医院によって異なるため、治療を始める前に確認しておきましょう。
プラスチック素材は変色・劣化する
白い歯に使用されるプラスチック素材(レジン)は、時間の経過とともに変色・劣化します。日々の食事で摂取する色素の強い食品や飲料、喫煙などにより、色が変わって黄ばんでいくのです。
審美性を重視する場合は、変化が起こりにくいオールセラミックやe‐max、ジルコニアを選ぶとよいでしょう。
銀歯を白くするときの注意点
銀歯を白くすることは可能ですが、白くする治療法には保険適用と自費治療の2つの方法があります。素材を選ぶ際は、予算と相談することが重要です。
また、白い素材に変更した場合の注意点も存在します。一つずつ確認しましょう。
治療した歯に負担をかけない
銀歯を外して新しい詰め物や被せ物をした後、素材が定着するまでには時間がかかります。刺激を与えないよう、硬い食べ物や熱い食べ物は控えるようにしましょう。
治療前に食事を終わらせておくなど、工夫する必要があります。
研磨剤入りの歯磨き粉を避ける
銀歯を外して白い素材に変えた後は、研磨剤の入っていない歯磨き粉を使うようにしましょう。
研磨剤は、プラーク(歯垢)や着色汚れを落とすために歯磨き粉に含まれている添加物です。天然歯の汚れを落とすには効果的ですが、詰め物や被せ物を傷つける可能性があります。
飲食後は歯磨きをする
汚れが付着しにくいものもありますが、白い詰め物や被せ物の場合、飲食物の色素で変色していく恐れがあります。コーヒーや着色料の多いジュース、カレーなど着色しやすい食べ物や飲み物を摂った後は、ブラッシングをして変色しないように心がけましょう。
白く美しい状態を保つためにも、毎日の歯磨きはきちんと行ってください。
まとめ
銀歯を白くする治療には、保険治療と自費治療の2種類があります。保険が適用される素材であれば、費用を抑えて治療することが可能です。劣化しにくい素材や変色しにくい素材を選択すれば、治療後も天然歯と変わらず使用できるでしょう。
ただし、白い歯の素材は銀歯に比べると耐久性が低いです。また、審美性や強度を追及して素材を選択すると、保険が適用されなくなるため費用が高額になります。
銀歯を白くするときは、保険治療か自費治療かを慎重に検討しましょう。
銀歯を白くしたいとお考えの方は、長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、先を見据えた歯科治療を全ての患者様にお届けできるよう意識して診療を行っています。一般歯科だけでなく、審美歯科やホワイトニング、マウスピース矯正、インプラントなどさまざまな治療に対応しています。