インビザライン矯正中に歯ぎしり・食いしばりをするリスクと対策!
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こんにちは。長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」です。
インビザライン矯正では、わずか0.5mmの厚みのマウスピースを使用します。そのため、歯ぎしりや食いしばりの癖があると、マウスピースの破損・変形を招くリスクがあるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方がインビザライン矯正を受ける場合、さまざま対策を行う必要があります。
今回は、インビザライン矯正中の歯ぎしりや食いしばりのリスクについて詳しく解説します。原因と効果的な対策方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
歯ぎしり・食いしばりとは?
歯ぎしり・食いしばりは、無意識のうちに上下の歯を強くこすり合わせる、きつく噛み締めるなどの悪習癖のことです。特に就寝中に行われるためご自身では気づけないことが多く、一緒に寝ているご家族から指摘されるケースもあります。歯を「ギリギリ」と強くこすり合わせる音が特徴的です。
通常、顎がリラックスしている状態では、上下の歯は接触しません。2mm程度のすき間が存在します。
しかし、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、リラックス状態でも上下の歯のすき間がほとんどない場合が多いです。口の周囲の筋肉が緊張し、上下の歯が接触していることもあるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりの原因
そもそも、歯ぎしり・食いしばりの原因は何なのでしょうか。対策をご紹介する前に、まずは歯ぎしり・食いしばりの原因を解説します。
ストレスが溜まっている
歯ぎしり・食いしばりの主な原因は、日常生活における強いストレスとされています。ストレスは、仕事の変化、人間関係の悩み、生活環境の変動など、日々のさまざまな要因で生じるでしょう。
寝ている間に無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをすることは、ストレスや不安を解消しようとする身体の反応と考えられています。
高い枕を使用している
不適切な高さの枕を使用していると、歯ぎしり・食いしばりをしやすくなるといわれています。
特に、高い枕を使うと首に角度がつき、頭が前傾するでしょう。奥歯を無意識に強く噛み締めるので、歯ぎしり・食いしばりのリスクが高まります。自然な姿勢を保てる枕を選ぶことが重要です。
また、睡眠の質が低下すると、歯ぎしり・食いしばりを引き起こす要因となることがわかっています。睡眠が浅い状態では、無意識のうちに歯ぎしり・食いしばりをすることが多いです。
歯並びが悪い
歯並びが悪いと、上下の歯の噛み合わせが不均等になり、歯ぎしり・食いしばりを引き起こしやすくなります。正しくない噛み合わせでは、一部の歯に過度な圧力がかかるためです。
また、歯の詰め物や被せ物が適切な高さでない場合も、噛み合わせが不安定になります。無意識のうちに歯ぎしり・食いしばりをする可能性があるでしょう。
集中している
何かに集中する際、歯ぎしり・食いしばりをする方が多いです。集中力を高め、力を発揮しようとする自然な反応です。
運動や肉体労働に限らず、何らかの活動に夢中になっているときにも現れることがあります。集中力を高めるために無意識のうちに歯ぎしり・食いしばりをすることは、人間の生活においてよく見られる現象なのです。
インビザライン矯正中に歯ぎしり・食いしばりをするとどうなる?
インビザライン矯正中に歯ぎしり・食いしばりをすると、治療に支障をきたす可能性があります。どのようなリスクがあるのか確認しましょう。
マウスピースが変形・破損する
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、咬合力が強いことが多いです。強い咬合力がインビザラインのマウスピースに過剰な圧力をかけ、変形・破損することがあります。
特に、夜間の食いしばりが激しい場合、マウスピースが本来の力を発揮できず、歯の移動がうまく進まない可能性があります。
インビザラインのマウスピースは薄さ約0.5mmと繊細な装置です。過度の圧力によって形状や強度が損なわれると、矯正治療の効果にも影響を与えかねません。
治療効果が減少する
歯ぎしり・食いしばりは、噛み合わせのバランスを崩す場合や、歯の移動に影響を与える場合があります。特に、インビザライン矯正中に歯ぎしり・食いしばりが続くと、マウスピースを正確 に装着できなくなり、歯の安定した移動が妨げられる可能性があるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりをし続けると、矯正治療の効果が不安定になり、望んでいた治療結果を得られなくなることがあります。
適切な矯正効果を得るためには、マウスピースを正しい位置で装着しなければなりません。歯ぎしり・食いしばりによる無意識の圧力が、マウスピースの正確な装着を妨げる可能性があるのです。
そのため、インビザライン矯正を受ける方は、歯ぎしり・食いしばりに注意して適切に対処しましょう。
インビザライン矯正中の歯ぎしり・食いしばりへの対策
インビザライン矯正中に歯ぎしり・食いしばりをすると、マウスピースの変形・破損につながることがあります。治療効果が減少することもあるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりは、対策することで抑えられる場合があります。
顎関節の周囲をマッサージする
歯ぎしりや食いしばりで硬直した筋肉を、マッサージするとよいでしょう。顎関節の周囲をマッサージして、筋肉をほぐしてください。
歯ぎしりや食いしばりの影響で硬くなった筋肉をほぐすことで、顎が本来の自然な位置に戻りやすくなります。顎に痛みがある場合は、マッサージによって痛みが軽減される可能性が高いです。
マッサージを行う際は、力を入れすぎないように注意しましょう。適度な力加減で顎周辺をゆっくりと円を描くようにマッサージすることが大切です。正しいマッサージ方法を学ぶために、歯科医院で指導を受けるとよいでしょう。
歯ぎしり・食いしばりをしていないか意識する
日常生活のなかで、歯ぎしりや食いしばりをしていないか意識することは非常に重要です。
しかし、歯ぎしり・食いしばりは無意識のうちに行っているため、すべてご自身で気づくことは難しいです。気づいたときはやめるようにしましょう。
また、ご家族や親しいご友人に協力を求めることも効果的です。歯ぎしり・食いしばりの音が聞こえた場合は、すぐに伝えてもらうように依頼しましょう。
周囲の協力を得ながら、ご自身が無意識のうちに行っている歯ぎしりや食いしばりを意識して改善してください。
歯ぎしり・食いしばりでマウスピースが割れたら
インビザライン矯正に使用するマウスピースが破損すると、適切な矯正効果を発揮できなくなります。そのため、マウスピースに割れや亀裂などの破損が見られた場合は、すぐに歯科医院を訪れることが重要です。診察の際は、破損したマウスピースを持参することを忘れないでください。
マウスピースがひび割れている程度であれば、修復が可能な場合もあります。完全に割れている場合は修理が困難で、新しいマウスピースを作り直す必要があるでしょう。
ただし、インビザラインのマウスピースは海外で製作されるため、作り直しには時間がかかることがあります。1か月前後かかると考えたほうがよいでしょう。
新しいマウスピースが届くまでは矯正治療が進まないので、治療をスムーズに進めるためにはふだんからマウスピースを丁寧に扱って破損を防ぐことが重要です。
まとめ
歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちに行う悪習癖であり、インビザライン矯正に影響を与えます。ストレスが溜まっていることや不適切な枕を使用していること、噛み合わせが不均衡であることなどが原因となります。
歯ぎしり・食いしばりは、インビザライン矯正において歯の移動を妨げる要因となりかねません。マウスピースへの負担を増加させ、変形・破損することもあるでしょう。
特に、マウスピースの破損は治療の遅れを招くため、歯ぎしり・食いしばりの癖は意識して改善してください。ご自身で気づくことは難しいので、ご家族やご友人にも協力してもらうとよいでしょう。
歯科医師と相談しながら、適切な対策を講じてください。
インビザライン矯正を検討されている方は、長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。