マウスピース矯正を諦める前に！できないケースとその対処法
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こんにちは。長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」です。
「マウスピース矯正をしたいけれど、私の歯並びには対応できる？」「マウスピース矯正ができないっていわれたらどうしたらいいの？」と悩んでいませんか。
矯正装置が目立たないことから多くの人に支持されているマウスピース矯正ですが、ワイヤー矯正と比較すると対応症例が限られています。
今回は、マウスピース矯正ができない症例と治せる歯並びについて詳しく解説します。マウスピース矯正の適応とならない場合の代替治療法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを歯に装着して歯並びを整える矯正方法です。ワイヤーやブラケットを使用せず、マウスピースを装着・交換して、少しずつ歯を移動させます。
透明なマウスピースを使用するため、周囲の人に気づかれにくいのが特徴です。そのため、人と会話をする機会が多い接客業や営業職の人に選ばれています。また、ワイヤーや金属のパーツを歯の表面につける必要がないため、口腔内の粘膜を傷つけることはありません。
マウスピース矯正ができないケース
マウスピース矯正はすべての症例に対応できるわけではありません。では、どのような場合にはマウスピース矯正で対応できないのでしょうか。以下では、マウスピース矯正で対応が難しいケースについて解説します。
重度の歯周病
歯周病が重度の状態にまで進行すると、歯を支える骨が吸収され、歯の動揺や欠損、歯肉退縮のリスクが高まります。そのため、重度の歯周病で歯を支える骨が不足している場合は、マウスピース矯正での治療が難しいと判断される可能性があります。
歯周病に罹患している場合は、矯正治療を始める前に歯周病の治療を受けて口腔内の環境を整えることが重要です。
骨格的な問題がある
歯列不正は、歯並びの悪さだけでなく骨格に問題があるケースも多いです。生まれつき顎が極端に前に出ていたり、左右にズレていたりなど、骨格に問題がある場合はマウスピース矯正だけでの治療は難しいとされています。
このような場合には、外科的な治療と併用するケースが多いです。
重度の歯列不正
マウスピース矯正では、歯全体を覆うマウスピースを装着して少しずつ歯を動かします。一部の歯が大きく傾いていたり、歯の位置が大きくズレていたりする場合は、マウスピース矯正で効果を得るのが難しいです。
このような重度の歯列不正の場合は、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法を検討することになるでしょう。
複数のインプラントが入っている
インプラントとは、虫歯などで欠損した部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付けて歯の機能を回復させる治療です。
マウスピース矯正では、歯根の周りにある歯根膜を伸び縮みさせることで歯を移動させますが、インプラントにはこの歯根膜がありません。そのため、インプラントの入っている位置や本数によっては歯列矯正が難しい場合があるのです。
埋伏歯がある
埋伏歯がある場合にもマウスピース矯正では対応できない可能性があります。埋伏歯とは、歯茎や顎の骨の中に埋まっている歯のことです。埋伏歯にはマウスピースを装着できません。歯の移動を妨げる可能性もあるでしょう。
この場合には、歯茎を切開して埋まっている歯を引き出すなどの処置が必要になるケースもあります。
永久歯が生え揃っていない
マウスピース矯正のブランドにより適応年齢や条件が異なります。一般的には永久歯が生え揃い、顎の骨の成長が完了してからマウスピース矯正を開始します。
しかし、近年では子ども向けのマウスピース矯正もあり、乳歯と永久歯が混在しているうちから治療を開始することが可能です。
自己管理ができない
マウスピース矯正では、取り外し可能な装置を使用します。矯正治療中は装置を1日20〜22時間装着しなければなりません。これは、食事や歯磨きのとき以外はマウスピースを装着しなければならないということになります。
マウスピースの装着時間を守らないと計画どおりに治療を進めることができません。治療期間が長引く可能性もあるため、装着時間などの管理ができない場合には、固定式の装置を使用した矯正方法が勧められる可能性もあるでしょう。
マウスピース矯正で治せる歯並び
以下では、マウスピース矯正で治せる歯並びについて解説します。
軽度の叢生
叢生（そうせい）とは、歯が並ぶスペースが不足していることで、歯と歯が重なり合って凸凹している状態の歯並びです。見た目に影響が及ぶだけでなく、歯と歯が重なっている部分は歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。
叢生を矯正する方法には様々ありますが、軽度から中等度の叢生であれば、マウスピース矯正で対応できる可能性があります。
ただし、歯を大きく動かさなければならない重度の叢生の場合は、マウスピース矯正での対応は難しいでしょう。
出っ歯（上顎前突）
出っ歯とは、上の前歯が下の前歯よりも出ている状態を指します。上の歯が前に傾いて生えることで出っ歯になっているケースと、上下の顎のバランスが崩れていることで出っ歯になっているケースがあります。
歯の生え方に問題があって出っ歯になっている場合にはマウスピース矯正で対応できます。
しかし、歯を大きく動かさなければならない重度の出っ歯や、骨格に問題がある出っ歯の場合は、マウスピース矯正では対応が難しいでしょう。外科的な治療が必要になることもあります。
すきっ歯（空隙歯列）
すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間があいた状態の歯並びです。顎の大きさに対して歯が小さかったり、生まれつき歯の本数が少なかったりすると、すきっ歯になることがあります。
歯と歯の間に隙間があると、見た目に影響を及ぼします。また、歯と歯の間に食べ物が挟まったり、隙間から空気が漏れて発音しづらくなったりする可能性もあります。すきっ歯の場合も、マウスピース矯正で対応できるケースが多いです。
過蓋咬合（ディープバイト）
過蓋咬合とは、上の歯が下の歯に深く覆いかぶさっている状態です。ディープバイトとも呼ばれています。
過蓋咬合の場合、噛み合わせたときに下の前歯で上顎を傷つける可能性があります。下顎の動きが制限されることで顎関節症になる恐れもあるでしょう。また、噛み合わせが悪いことで奥歯がすり減ったり、詰め物・被せ物が壊れやすくなったりする可能性もあります。
お口の状態にもよりますが、過蓋咬合もマウスピース矯正で対応できるケースがあります。
マウスピース矯正ができないときの選択肢
マウスピース矯正の適応外と診断されても、矯正治療自体を諦める必要はありません。ワイヤー矯正や外科的な治療を検討することで、きれいな歯並びを目指せます。それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、最も一般的な矯正方法です。歯にブラケットという小さい装置を取り付け、そこにワイヤーを通して力を加えながら歯を動かします。
マウスピース矯正で対応が難しい症例でも、ワイヤー矯正であれば対応できるケースもあります。複雑な症例にも対応可能な点はワイヤー矯正のメリットです。
ワイヤー矯正には表側矯正と裏側矯正、ハーフリンガル矯正などの種類があり、近年では目立ちにくい色のブラケットやワイヤーも用意されています。装置は固定式のため、高い治療効果が期待できます。
その一方で、器具が口内の粘膜に当たって痛みが出たり、口内炎を発症したりする可能性がある点には注意が必要です。
外科的矯正
骨格的な問題がある場合には、外科的な治療が選択されます。外科的な治療によって顎の骨を削るなどして位置を調整したあとにワイヤー矯正で歯並びを整えることがあるのです。これによって、歯並びだけでなく顔の骨格まで改善できます。
まとめ
マウスピース矯正は、多くの人に注目されている治療法のひとつです。
しかし、マウスピース矯正は適応症例が限定されていることから、歯並びや顎の骨の状態によっては治療を受けられない可能性があります。
それでも矯正治療自体を諦める必要はなく、ワイヤー矯正や外科的治療など、症例に応じた矯正方法を選択することで、きれいな歯並びを手に入れられます。
マウスピース矯正の適応となるかは、歯科医師の診断が必要です。マウスピース矯正を検討されている方は、一度歯科医院で相談しましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、先を見据えた歯科治療を全ての患者様にお届けできるよう意識して診療を行っています。一般歯科だけでなく、審美歯科やホワイトニング、マウスピース矯正、インプラントなどさまざまな治療に対応しています。
