インプラントで奥歯の機能を取り戻す!メリットや費用も
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こんにちは。長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」です。
むし歯などで歯を失った際に「奥歯は見えないからそのままでいい」「1本くらいなら支障は出ないだろう」と放置する患者さんは少なくありません。
しかし、見えない部分だからといって放置していると、次第に噛み合わせが乱れたり顔の印象に影響を与えたりすることがあるため注意が必要です。
本記事では、奥歯を失うリスクやインプラントにするメリット・デメリット、費用などについて解説します。
奥歯を失うリスク
奥歯は人目につきにくい場所ですが、失うことによって様々なリスクが生じます。ここでは、奥歯を失うリスクについて解説します。
噛み合わせが悪くなる
奥歯を失うと、欠損箇所に隣接する歯がその隙間に向かって移動することがあります。そのため、次第に歯並びが乱れ、噛み合わせが悪くなるリスクが高まります。
また、片方の奥歯がないことによって反対側の奥歯やそのほかの部分で食べ物を噛む癖がつき、部分的に大きな負担がかかる可能性もあるでしょう。その結果、肩こりや頭痛などの症状がみられるようになったり顎関節症を発症したりすることもあります。
歯周病や虫歯のリスクが高まる
奥歯を失うと、欠損した箇所にプラークが蓄積しやすくなります。特に、奥歯は歯や歯茎の状態を目視で確認しにくく、歯ブラシが行き届きにくいため、汚れが付着した状態が続くと虫歯や歯周病のリスクが高まります。
「1本くらい失っても大丈夫」と思ってそのままにしておくと、ほかの健康な歯を失う可能性があるため注意が必要です。
顎の骨が痩せる
奥歯を失うと、その部分の顎の骨に噛む刺激が伝わらないため骨吸収が起こります。骨吸収によって骨が痩せるとインプラントの埋入が難しくなるだけでなく、顔の印象が変化することもあるでしょう。
発音に支障が出る
奥歯を失うと、発音する際に空気が漏れるため、発音に支障が出やすくなります。特に、ラ行や奥歯を噛み合わせて発音するキ・シ・チなどが不明瞭になりやすいです。
胃腸に負担がかかる
奥歯には、食べ物を細かくすり潰す役目があります。奥歯を失い、食べ物をしっかり咀嚼できずに大きな塊のまま飲み込むことが増えると、胃腸に負担がかかることも考えられるでしょう。
奥歯のインプラント治療は難しい?
治療を検討している患者さんのなかには、奥歯のインプラントは難しいと耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
目の下と鼻の横辺りには上顎洞(サイナス)と呼ばれる空洞が存在します。そのため、治療の際には、上顎洞を突き破ることがないようにインプラントを埋入する角度や深さなどを的確に調整する高い技術が求められるのです。
また、奥歯は噛み合わせの調整が求められる部位です。噛み合わせの調整をうまくできないと、顎に負担がかかったり、人工歯が破損したりするリスクが高まります。噛み合わせの調整には高い技術力が必要となるため、難しいといわれているのです。
奥歯をインプラントにするメリット
奥歯をインプラントにするメリットは、以下の通りです。
天然歯のように噛める
部分入れ歯やブリッジの場合、周囲の歯を支えとして使用します。そのため、天然歯よりも噛む力が弱くなることがあります。
その点、インプラントは独立した歯根を持つため、天然歯と同じような噛み心地が得られるというメリットがあります。
日常的な違和感や痛みがない
入れ歯やブリッジはズレたり歯茎に当たったりすることで、日常的に違和感や痛みが生じることも多いです。
その点、インプラントは治療による痛みが治まれば、違和感や痛みを覚えることは基本的にありません。フィット性が悪く、グラついたりする心配もないため、快適に日常生活を送れるでしょう。
発音しやすくなる
奥歯の欠損を放っておくと発音に問題が出ることがあります。特に、ラ行やキ・シ・チなどイ段の発音が不明瞭になるケースが多いです。
しかし、インプラントで欠損箇所を補うことによって発音のしにくさを解消できるでしょう。
顎の骨が痩せるのを防げる
ブリッジや部分入れ歯は、独立した歯根を持ちません。そのため、噛む刺激が骨に伝わらず、骨が次第に痩せていきます。その結果、顔が老けた印象になることもあるでしょう。
一方、インプラントでは顎の骨に人工歯根を埋め込むため、噛む刺激が顎の骨にしっかりと伝わります。骨が痩せるのを防ぐことができるため、お口の健康維持にもつながります。
噛み合わせが維持できる
「奥歯は見えないから失っても問題はない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、放っておくと噛み合わせのバランスが崩れ、顔の印象が変わったり肩こりや頭痛などを引き起こしたりすることがあります。インプラントで歯を補えば、適切な噛み合わせを維持することができるため、全身の健康維持に役立ちます。
周囲の歯に負担をかけない
ブリッジや部分入れ歯では、支えとなる天然歯に負担がかかります。
その点、インプラントは周囲の歯の力を利用しないため、健康な天然歯に負担をかける心配がありません。「これ以上、健康な歯を失いたくない」と考える患者さんにとっては大きなメリットといえるでしょう。
奥歯をインプラントにするデメリット
奥歯をインプラントにするデメリットは、以下の通りです。
治療費が高額になる
インプラント治療は保険適用外となるため、治療費が高額になります。インプラントは自費診療になるため歯科医院によって費用は異なりますが、目安は1本あたり40万~50万円程度です。複数の歯を治療する場合には100万円を超える可能性もあります。
治療期間が長い
インプラント治療では、顎の骨と人工歯根が結合するのを待つ必要があります。そのため、部分入れ歯やブリッジに比べて、治療期間が長くなります。
ブリッジや入れ歯の場合は最短2週間~1ヵ月程度で治療が完了することもありますが、インプラントの場合は最短でも3ヵ月はかかります。
インプラント周囲炎のリスクがある
インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織に炎症が起こる疾患のことです。毎日のセルフケアや定期的なメンテナンスが不足することなどによって引き起こされます。
インプラント周囲炎になると、通常の歯周病と同様に、歯茎の腫れや出血などの症状が見られるようになります。症状が進行すれば、人工歯根を支えている組織が破壊され、インプラントがグラついたり抜け落ちたりする可能性もあるでしょう。
場合によっては治療が受けられない
インプラント治療では、歯茎を切開し、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込みます。そのため、骨量が不十分であれば、治療を受けることができません。
骨量が足りない場合には、事前に骨を増やす治療を受ける必要があります。骨が作られるまでには4ヵ月〜6ヵ月かかることが一般的で、患者さんによっては1年程度かかることもあります。
また、インプラント手術では外科的な処置が行われるため、身体への侵襲を伴います。糖尿病や心臓病、高血圧などの持病がある患者さんの場合、インプラント治療が受けられない可能性がありますので、事前に主治医へ確認してください。
奥歯をインプラントにする場合の費用
奥歯をインプラントにする場合の治療費の目安は、1本あたり40万〜50万円程度です。複数の歯を治療する必要がある場合には、2本で80万〜100万円程度、3本では120万〜150万円程度となりますので、患者さんの費用負担が大きくなります。
また、骨量が足りない場合には、インプラント治療を受ける前に骨を増やす治療を受ける必要があります。骨を増やす治療には、3万〜30万程度かかることが一般的です。骨を増やす治療が必要かどうかについては詳しい検査をしてみないと判断できませんので、まずは歯科医院でカウンセリングを受けましょう。
まとめ
奥歯は人目につきにくいため「1本くらいなくなっても大丈夫だろう」と考える患者さんは少なくありません。
しかし、そのまま放っておくと、歯並びが乱れたり虫歯や歯周病を発症したりする可能性があるため、早めに補うことが望ましいでしょう。
ただし、インプラント治療が受けられるかどうかは、患者さん自身の健康状態や口腔内の状態、顎の状態などによって異なります。また、インプラント治療には最短でも3ヵ月程度かかることが一般的です。骨を増やす治療が必要になれば、治療期間がさらに半年程度延びることになりますので、余裕を持って治療を受けたほうがよいでしょう。
インプラント治療を検討されている方は、長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、先を見据えた歯科治療を全ての患者様にお届けできるよう意識して診療を行っています。一般歯科だけでなく、審美歯科やホワイトニング、マウスピース矯正、インプラントなどさまざまな治療に対応しています。