歯の根管治療とは?流れ、費用、必要となるケースなど基本を解説!
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こんにちは。長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」です。
歯の根管治療とは、虫歯の進行から引き起こされる歯髄の感染や炎症を解消し、歯を保存するための重要な治療法です。適切な治療を受けることで痛みを軽減し、健康な口腔環境を維持することができます。
この記事では、歯の根管治療の必要性や流れ、メリット・デメリットについて詳しく解説します。ご自身の歯を守るための知識を深めましょう。
歯の根管治療とは
歯の根管治療とは、歯の内部にある歯髄に問題が生じた際に行う治療です。歯髄とは神経や血管を含む組織で、歯に栄養や水分を供給します。
虫歯が進行すると細菌が歯髄に侵入し、激しい痛みや腫れを引き起こします。これを放置すると、感染が周囲の組織に広がり、最終的には歯を失うことがあるのです。
根管治療では、感染した歯髄を取り除きます。その後、根管内を洗浄・消毒し、薬を詰めて感染を防ぎます。進行した虫歯や歯髄炎などに対して治療を施すことで、痛みを和らげることが可能です。早期に治療を受けることで、抜歯を避けることもできます。
歯の根管治療が必要となるケース
ここでは、根管治療が必要とされる主なケースをご紹介します。
歯髄炎
歯髄炎は、歯髄に強い炎症が生じる状態です。冷たい飲み物や食べ物が刺激となり、痛みを引き起こすことがあります。この場合は、歯の神経を取り除くことで痛みを和らげることが可能です。
歯髄壊死
歯髄壊死は、虫歯や外傷により歯髄が死滅した状態を指します。治療をせずに放っておくと最終的に抜歯が必要になる恐れがあります。根管治療によって、歯の内部を清掃し再発を防ぐことが重要です。
根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
根尖性歯周炎は、虫歯の進行によって歯の根の先端に炎症が起こり、膿が溜まる状態です。この状態が進行すると、激しい痛みや腫れが生じ、頬や顎が腫れることもあります。さらに、感染が広がると、周囲の組織に影響を及ぼす可能性もあります。
この場合には、感染した根管内を清掃し、細菌を取り除く必要があるのです。
歯の根管治療の流れ
ここからは、歯の根管治療の一連の流れを詳しく解説します。
初診時の診断と計画立案
まずは、レントゲン撮影などを行って、感染の程度や歯の状態を確認します。この段階で、症状を把握し治療計画を立てます。
抜髄(ばつずい)
抜髄とは、歯の神経である歯髄を取り除く処置のことです。痛みを最小限に抑えるために局所麻酔を施したら、専用の器具を使用して感染した歯髄を取り除きます。根管内は複雑な形をしているため、取り残しがないように慎重に処置を行います。
根管内を洗浄・消毒する
歯髄を取り除いたら、根管内を洗浄・消毒します。この工程では、細菌感染を防ぐために、薬剤を用いてしっかりと消毒します。
仮蓋をする
神経を取り除き、根管内を洗浄・消毒したら専用の薬剤を詰めて仮のふたをして数日おきます。その後、根管内がきれいになるまで洗浄と消毒を繰り返します。
根管充填を行う
洗浄と消毒を繰り返して根管内がきれいになったら薬剤を詰めます。根管内にすき間なく薬剤を詰めることで再感染を防ぎ、治療部位を安定させます。
土台を立てて被せ物を装着する
根管充填後、歯の根の先まで薬剤が詰まっていることを確認できたら土台を立てます。土台を立てたら、その上に被せ物を装着して歯の機能を回復させます。
歯の根管治療の費用と回数の目安
治療にかかる費用や回数はお口の状態によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
根管治療の費用
根管治療にかかる費用は、歯の状態や治療の内容によって異なりますが、保険が適用される場合は1本あたり2,000円〜5,000円程度かかります(3割負担の場合)。
一方で自費診療の場合は、歯科医院によって費用が異なりますが5万〜20万円程度かかります。費用は高額ですが、保険診療では使用できない機器や薬剤を使用できるため、精度が高い治療が受けられます。
根管治療の回数
治療回数は、歯の位置や状態によって異なります。前歯の場合は2〜3回程度、奥歯の場合は3〜4回程度かかることが多いです。根管の状態が悪かったり、痛みが続いていたりする場合には、さらに治療回数が増えます。
さらに、最終的に被せ物を作成・装着するまでには3回程度通院が必要となります。そのため、根管治療から被せ物の装着まで、前歯の場合は5〜6回程度、奥歯の場合では7〜8回程度は通院が必要になるでしょう。
治療は週1回の頻度で行われることが一般的で、治療が終了するまで2ヶ月ほどかかることを見込んでおくと良いです。
ただし、マイクロスコープなどの最新の設備が整った歯科医院では、治療期間が短縮される場合もありますので、事前に歯科医院に確認するとよいでしょう。
歯の根管治療のメリット・デメリット
最後に、根管治療のメリット・デメリットについて解説しますので参考にしてください。
歯の根管治療のメリット
まずは根管治療を行うメリットについて解説します。
- 自分の歯を残せる
根管治療の最大の利点は、感染した歯を抜歯せずに済む点です。抜歯をせずに自分の歯を残せることで、自然な噛み合わせや咀嚼機能を維持できます。
- 痛みがなくなる
根管治療は、激しい痛みを伴う虫歯や歯髄炎などの病状に対して非常に有効です。感染した歯髄を取り除くことで、痛みから解放されます。治療直後には一時的な鈍痛が残るケースもありますが、抗生剤や鎮痛剤を適切に使用することで、その不快感も軽減されます。
- 感染が広がるのを防げる
根管治療を受けることにより、感染が広がるのを防げます。ほかの歯や歯茎に影響を与えるリスクを最小限に抑えられる点は大きなメリットといえるでしょう。
- 生活の質が向上する
根管治療を受けることで痛みや不快感から解放されるだけでなく、日常生活の質が向上します。ご自身の歯で食事を楽しめるため、心理的な安心感も得られるでしょう。
歯の根管治療のデメリット
次に、歯の根管治療のデメリットについて解説します。
- 歯を大きく削る必要がある
根管治療では、感染した部分を除去するために歯を大きく削る必要があります。歯を大きく削ると歯の強度が低下し、破折するリスクが高まります。結果的に歯の寿命が短くなる可能性があるのです。
- 再発する可能性がある
根管治療後、根尖性歯周炎や虫歯が再発する可能性があります。根管治療の初回の成功率は高いですが、治療を何度も行うと成功率が下がり、最終的には抜歯が必要になるケースもあるでしょう。
- 虫歯に気づきにくくなる
歯の神経を抜くと、痛みなどの感覚が失われます。そのため、虫歯が再発しても気づきにくくなるのです。
- 治療期間が長い
前述のとおり、根管治療では歯髄を除去したあとに、根管内をきれいにするために洗浄と消毒を繰り返します。そのため、何度も歯科医院に通院する必要があり、治療期間が長くなるのです。また、歯の根っこの形状が複雑な場合も、治療期間が長くなることがあります。
治療期間が長くなると、患者様の治療に対するモチベーションが低下することもあります。
- 歯がもろくなる
根管治療後の歯は、もろくなる傾向があります。根管治療では歯髄を除去します。歯髄には神経や血管が通っており、除去すると歯に栄養が行き渡らなくなるため、もろくなることがあるのです。
元の歯の強度を維持するために被せ物を装着しますが、完全に元の強度を取り戻すことはできません。
まとめ
歯の根管治療とは、歯髄が感染や炎症を起こしたときに行われる治療です。根管治療を受けることで、自分の歯を残すことができ、また虫歯などによる痛みをなくすことができます。
一方で、歯を大きく削る必要がある点や、歯がもろくなる点はデメリットといえるでしょう。また、歯髄を除去することで痛みなどの感覚がなくなるため、虫歯の再発にも気づきにくくなります。
健康な口腔環境を維持するためには、早期に治療を受けることが大切です。
根管治療を検討されている方は、長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、先を見据えた歯科治療を全ての患者様にお届けできるよう意識して診療を行っています。一般歯科だけでなく、審美歯科やホワイトニング、マウスピース矯正、インプラントなどさまざまな治療に対応しています。