歯槽膿漏は歯周病の最終段階!原因や予防法などを紹介
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こんにちは。長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」です。
歯茎から出血したり歯がグラグラ動いたりするような症状に、心当たりはありませんか。これらは、歯周病の最終段階である歯槽膿漏(しそうのうろう)の症状かもしれません。
この記事では、歯槽膿漏の症状や原因、治療法について詳しく解説します。歯周病を放置すると最悪の場合歯を失うこともあるため、早期の発見と対策が重要です。
この記事を参考に、歯と歯茎の健康を守る方法を知り予防できるように心がけましょう。
歯槽膿漏とは
歯槽膿漏とは、歯周病が進行した最終段階の状態と言われています。歯周病は、歯と歯茎の間で細菌が繁殖し、歯を支える歯茎や骨などの歯周組織に炎症を引き起こす病気です。
初期段階では歯茎の腫れや出血といった症状が現れますが、自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行していることも珍しくありません。進行すると歯を支えている歯槽骨が破壊され、最終的には抜歯が必要になったり、歯が抜け落ちたりすることもあります。
さらに、歯周病菌が血流に乗って全身に広がると、心臓病や脳卒中など全身疾患のリスクも高まることが知られています。歯槽膿漏を放置することは、口腔内だけでなく全身の健康にも重大な影響を及ぼす可能性があるのです。
歯周病の進行度
歯周病は進行度によって4つの段階に分けられます。症状が進むにつれて治療は困難になるので、早めの対処が重要です。
歯肉炎
歯肉炎は、歯茎が赤く腫れたり歯磨きの際に出血が見られたりする状態です。炎症を起こしているのは歯茎のみで、痛みを感じることはほとんどありません。
また、歯肉炎の段階であれば、日々のセルフケアを徹底することで改善が期待できます。
軽度の歯周炎
歯肉炎が進行すると、炎症が歯茎だけでなく歯を支える骨にまで広がり、骨の破壊が始まる軽度歯周炎へと進行します。歯茎の炎症や出血が悪化し、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットが深くなりはじめます。
歯周ポケットの深さは歯周病の進行度の目安となり、症状が進行するにつれて深くなります。正常な歯周ポケットは0~2mmですが、深さが3〜4mmになると軽度歯周炎であると判断されます。
中等度の歯周炎
中等度歯周炎では歯周ポケットが4〜5mmとさらに深くなり、歯茎の腫れや出血だけでなく、膿が出たり骨の破壊が進行して歯がぐらつき始めたりします。また、口臭が強くなったり、歯茎の位置が下がって歯が長く伸びたように見えたりすることもあるでしょう。
重度の歯周炎
重度の歯周炎の段階まで進行すると、歯周ポケットの深さは6mm以上と非常に深くなります。歯茎からの出血や膿だけでなく、歯槽骨の破壊が著しく進行し、歯が大きくぐらついたり抜け落ちたりする可能性が高まります。
歯槽膿漏の症状
歯槽膿漏は自覚症状が出る頃には進行しているケースが多いため、違和感が生じた段階で早めに歯科医院を受診しましょう。歯槽膿漏の主な症状は、以下のとおりです。
歯茎からの出血
歯茎からの出血が、歯槽膿漏の症状にあげられます。歯槽膿漏になると、歯磨きをしたときや硬い食べ物を噛んだ際など、少しの刺激を与えただけでも歯茎から出血しやすくなるのです。
歯茎の腫れと変色
健康な歯茎は薄いピンク色で引き締まっています。歯槽膿漏では炎症が進み、歯茎が赤紫色になってブヨブヨと腫れあがります。
口臭が強くなる
歯槽膿漏になると、歯周病菌が増殖することで強い口臭が発生します。この臭いは自分では気づきにくく、周囲の人が先に気づいて指摘されることで知るケースもあるでしょう。
歯のぐらつきや排膿
歯と歯茎の間から膿が出て、口の中が苦く感じることがあります。また、歯槽骨の破壊が進めば歯を支えられなくなり、歯が大きくぐらつくこともあるでしょう。最終的には、歯が自然に抜けたり抜歯が必要となったりすることがあります。
歯槽膿漏の原因
ここでは、歯槽膿漏の主な原因をご紹介します。
口腔ケアが不十分
口腔ケアが不十分でプラークが蓄積することが、歯槽膿漏の原因です。プラークは、お口の中の細菌が塊になった粘着性のある物質で、その中には歯周病菌を含むさまざまな細菌が生息しています。
プラークが付着したまま時間が経つと、唾液の成分と結合して歯石になります。歯石は歯ブラシでは落とせず、除去するには歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。歯石の表面は軽石状でザラザラしているため、プラークがつきやすいです。
口腔内にプラークが蓄積すると歯周病菌が増殖し、歯槽膿漏につながります。そのため、日々の口腔ケアを丁寧に行い、磨き残しをなくすことが重要です。
喫煙
喫煙は歯茎の血行を悪化させ、歯周病の進行を早める要因となります。さらに、免疫力を低下させ、口腔内の細菌に対する抵抗力を弱めるため、喫煙者は非喫煙者に比べて歯槽膿漏のリスクが高いとされています。
糖尿病
糖尿病も歯周病の進行を促進する要因の一つです。糖尿病によって高血糖状態が続くと、免疫機能が低下して歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。そのため、歯周病が進行しやすく歯槽膿漏のリスクが高まるのです。
また、歯周病が糖尿病の血糖コントロールに悪影響を与えることも知られています。
ストレスや生活習慣の乱れ
ストレスが溜まると、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり歯周病を発症しやすくなります。また、バランスの悪い食生活や偏った食生活も、免疫力の低下につながり、歯周病のリスクを高める可能性があります。
免疫力が低下して歯周病菌への抵抗が弱い状態が続くと、歯周病が進行して歯槽膿漏のリスクが高まるでしょう。
歯槽膿漏の治療法
ここでは、一般的な歯槽膿漏の治療法について解説します。
歯周基本治療
歯槽膿漏の基本的な治療は、プラークや歯石の除去です。歯科医院ではスケーリングやルートプレーニングを行い、歯槽膿漏の原因となる細菌を除去します。
スケーリングでは、歯の表面に付着した歯石や歯垢を専用の器具で除去し、ルートプレーニングでは、歯根の表面に付着した歯石や汚染物質を除去して歯根面を滑らかにします。歯根面を滑らかにすることで、細菌の再付着を防げます。
また、ブラッシング指導も行われることが多いでしょう。セルフケアの質が上がることで、より効果的に歯周病を改善できます。
ただし、歯槽膿漏の場合は歯周基本治療のみで改善できる可能性は低いです。他の治療も必要になるケースが多いことを知っておきましょう。
歯周外科手術
基本的な歯周病治療で改善が見られない場合には、外科的な治療が必要となることがあります。外科手術の中でも一般的なものが、フラップ手術です。歯茎を切開して歯根面を露出させ、細菌を除去する治療法です。
また、歯周組織の破壊が進んでいる場合には、歯周組織再生療法が行われることがあります。歯槽骨が溶かされている場合には、特殊な膜や薬剤を用いて歯周組織の再生を促します。
歯茎が後退している場合には、審美性や機能性を回復するために歯肉移植術が行われることもあります。これらの手術には高度な技術が必要とされるので、歯周病治療の実績が多い、信頼できる歯科医院を選択したほうが良いでしょう。
歯槽膿漏(歯周病)の予防法
歯槽膿漏(歯周病)を予防するためには、日常的な口腔ケアが非常に重要です。以下に、効果的な予防法を紹介します。
正しい歯磨き
毎日の歯磨きを丁寧に行い、プラークをしっかり取り除くことが大切です。特に、歯と歯の間や歯茎との境目は汚れが溜まりやすい箇所のため、注意して磨きましょう。フロスや歯間ブラシを併用することで、より効果的にプラークを除去できます。
定期的な歯科検診
定期的に歯科医院で検診を受けることも、歯周病を予防するためには欠かせません。定期的に歯科医院で口腔内を確認してもらっていれば、早期に歯周病を発見して適切な治療を受けることができます。
また、歯科医師によるクリーニングを定期的に受けていると、プラークや歯石の蓄積を防いで、歯周病を予防できるでしょう。
健康的な生活習慣
バランスの取れた食事や適度な運動は、全身の健康を保つために重要です。特に、ビタミンCやカルシウムを含む食品は、歯茎の健康を維持するのに役立ちます。
また、喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙を心がけましょう。他にも、十分な睡眠をとったりストレス管理をしっかり行ったりして、免疫力を低下させないことも大切です。
まとめ
歯槽膿漏は、歯周病が進行した段階の状態を指します。放置すると歯を失うだけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、日々の適切なケアと定期的な歯科検診によって歯周病を予防し、お口の健康を維持することが大切です。
歯茎の腫れや出血、口臭など気になる症状があれば、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。早期発見・早期治療が、歯の健康を守るためには重要です。
歯槽膿漏の治療を検討されている方は、長野県長野市にある歯医者「たかみさわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、先を見据えた歯科治療を全ての患者様にお届けできるよう意識して診療を行っています。一般歯科だけでなく、審美歯科やホワイトニング、マウスピース矯正、インプラントなどさまざまな治療に対応しています。